淀川は、澱(よど)む川だから「淀川」といわれている。ではどこで最も
よどんでいるのかといえば、枚方と大阪の間がもっとも落差が少なく
よどんでいることになる。枚方が昔の海岸線であることは前回述べた
が、正しくは河内湖が汽水湖であったことを考えれば海という認識
は正しくないかもしれない。
さて、澱む川の話だが琵琶湖の海抜はおよそ百メートルといわれて
おり、上町台地の高さを考えても、その勾配は百メールもないことに
なる。琵琶湖と大阪の間には、かつて巨大な巨椋池(おぐらいけ)
があったが、そうした池ができるほどにこの地域は水が滞る湿地帯
であったと考えられる。ちなみに一説には伏見とは、「ふせみず
(伏せ水)」に由来するとも云われている。しかしこの説以外にも諸説
ある、「御所」を伏し見るというものもあるが、時代から考えれば前者
の説が有力かと思われる。澱んだ淀川、その澱む一因は枚方辺り
の地形が関係しているのである。
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